最近、答案を書く際に特に気を付けていること
人によって課題は違うので、答案を書く際に気を付けていることは人それぞれ違うと思いますが、今回は、受験生の中でも特に課題まみれ(逆に考えれば伸びしろがいっぱいある…!?)の私が最近特に気を付けていることを書いてみたいと思います。
・字は大きく書く
司法試験には時間制限があるため、どうしても字は早く書く必要があり、その分字は汚くなりがちです。私も教授から「丁寧に字を書け」とよく叱られましたが、丁寧に字を書くなんて余裕はあるわけがないのです!(開き直り)
ただ、字を丁寧に書くのは無理だし、目指すべきでもないとしても、読める字を書けなければ点数がつかないのは間違いないので、多少汚くとも読める字を書く必要はあります。
そこで読める字を書く方法として私が考え付いたのが、字を大きく書く方法。字が大きいと大まかな形は崩れにくいですし、字がつぶれにくいので、多少汚くても読むことは十分できます。
・字は勢いよく、自信をもって書く
ただ、字を大きく書くとなると、手を動かす距離が長くなるため当然時間がかかります。そこで速さとの両立を図るために私が考えたのが、勢いよく(内容に自信がなくても字の書き方だけは)自信をもって書く方法。運動エネルギーの大きさで手を動かす距離の長さを補うことにより、いい感じに速さと字の読みやすさを両立することができるようになりました。
しかし、疲れるとすぐ字が小さくなったり、勢いがなくなったりしますし、無意識のうちに徹底できる段階ではまだないため、今後も気を付けなければなりません。
・配点ごとに時間配分をする、全体のバランスを考える
以前に比べればマシになりましたが、設問1に力を入れすぎて、配点の高い設問2以降に取れる時間が短くなってしまったり、そこまで配点が高くないのにやけに熱く論じてしまうことが今でもよくあるので、全体のバランスを考えつつ、配点ごとにどれだけ時間を使って考えたらいいか・どれだけ書けばいいかをしっかり見積るようにしています。
かつては、誰もが異論なく認める住居侵入のケースに10行ほど使ったりするほどバランスの崩れた答案を書いたこともあるんですよ。恥ずかしながら。
・配点を見て戦略を決める
配点をしっかり見ることは、「これだけ多くの点数が降られているのだから、論点は少なくとも2つはあるのだろう」などと何を中心に書くのかを決めたり、「これだけしか点数がないので、コンパクトにまとめて書こう」などと書き方・書く分量を決める判断材料となるので、あまり固執しすぎても駄目ですが、配点を見てどう答案を書くかの全体像を決めることはすごく大事だと思います。
・三段論法を常に意識する
新司法試験になってから、合格者も教授陣も三段論法が大事だと口をそろえて強調するようになりましたが、疲れていたり、時間がなくて焦っていたりすると、結構規範定立とあてはめと結論がごちゃごちゃになるものです。
配点が低く、ほとんど結論だけ書いておけばいいような場合もありますし、時間がないときはどうしても論破型の記述をするしかない場合もありますが、規範を立てている気配がないような答案や当てはめがあまりにも心もとない答案は、そもそも法律に関する文章の書き方自体がわかっていないと判断されて評価が著しく下がるおそれがあるので、基本である三段論法での記述を常にできるようにすべきなのでしょう。
・問題提起を省略できるときは省略する
設問で問題点が明らかにされており、何について書けばいいのか指定されているときは、しつこく問題提起をするのも時間の無駄になるおそれがあります。
いきなり「●●が認められるには、■■が必要となる」というように書き出したほうが迂遠でなくて良いときもありますし、不要な問題提起は削るべきでしょう。
以前の私は、設問で問題点がわかりきっているのに問題提起をしたり(迂遠)、当てはめのところで厚く書けばいい詳しい事情を問題提起の部分で書いたりしていたので(バランスが悪い)、問題提起は簡潔明快に、不要なら書かないように気を付けています。
司法試験浪人生の進路・撤退先について
新司法試験になって見かけの数字上は一気に合格率が上がりましたが、現在でも司法試験が非常に難しく合格率が低いことに変わりはありません(受け控えした人、予備試験不合格者、ロー生を含めれば実質的な合格率は10%もないのです。)。
そのため、合格の可能性が非常に高い優秀層以外は、合格できなかったことを考えて行動しないといけませんし、不合格の回数が増えれば撤退も視野に入れなければなりません。
そこで今回は、司法試験浪人生の進路・撤退先について主な選択肢を考えてみることとします。
1.とにかく司法試験を受け続ける(専業受験生orフリーター)
司法試験に合格せず法曹になれなかった場合、司法試験の勉強は大部分活かせなくなってしまいますし、司法試験にさえ受かってしまえば就職先の選択肢は一気に増えるため、弁護士でも就職難のこのご時世であっても合格するのが良いことに変わりはありません。
そのため、受かるまで司法試験を受け続けるというのも一つの手だと思います。
特に2000番付近での不合格者の場合、来年以降は合格できる可能性が比較的高いですし、人生を捨てるリスク覚悟で司法試験に臨むのも一つの有効な選択肢でしょう。
また、年齢的に法曹以外の道がほぼ閉ざされている方も、やむをえずこの道を選ぶしかないと思います。
2.公務員になる
次に有効なのが公務員になってしまう選択肢。バリバリ稼いでいる弁護士と比べると、収入は見劣りするものの、その分安定性は高いですし、社会的なステータスも高く、現代社会では魅力的な就職先です。
司法試験の学習に真剣に取り組んできた人にとっては少し教養を勉強するだけでペーパーテストは余裕なはずですし、いくつか併願が可能ですし、本格的に試験が始まるのは司法試験終了後なので(司法試験前にあるのは国家公務員総合職や参議院事務局総合職など数としては少ない)、比較的受けやすく受かりやすいと思います。
そうはいっても、どうしても年齢的に大学生との競争では不利となりますし、「司法試験受けないの?」攻撃に耐えなければならないので、面接が最大の天敵となります。国家公務員一般職や専門職まで最近は面接重視の傾向が強いのですが、面接以外でがっつり点数をとれる方、面接に自信のある方にはお勧めです。
ただし、一度就職してしまうと司法試験に合格するどころか、満足に受験することすらできなくなるおそれがあるので、合格の可能性がそれなりに高い方にとってはやはり迷いどころ。また、仕事にやりがいがないかもしれませんし、サンクコストとどう向き合うかも問題です。
3.民間企業に就職
ロー修了と同時に就職することを考えるのあれば、新卒扱いなので優良企業に行ける可能性は低くないかもしれません。
しかし、一度浪人生になってしまった以上、年齢的な問題もあり、民間企業への就職は非常に困難となるでしょう。特に、ブラック以外の民間企業への就職は非常に難しいのではないでしょうか(地方は絶望的)。コネがある方は別なのでしょうが。
完全に撤退を決めているのであれば、ブラック臭が強くても生活するためと割り切りができるのでしょうが、そうでない方には受験も覚束なくなる可能性が高いので、お勧めはあまりできない選択肢です。
4.司法書士等他の資格を目指す
多いのは、司法書士試験を合格して、司法書士として働くケース。
とはいえ、司法書士試験も司法試験に比べればマシなだけで、超難関であることに変わりはないですし、簡単な道ではありません。
行政書士は司法書士に比べると合格は容易ですし、私ですら合格しているので、真面目に司法試験の学習に取り組んできた方なら合格はできるでしょう。しかし、こちらは合格しても求人が非常に少ないですし、稼げない人が圧倒的に多いため、行政書士一本で生活していくのは困難と思ったほうがよいでしょう。
だらだらと考えてみましたが、合格の可能性が比較的高い2500番以内の方であれば、フリーターをやったり、法律事務所で事務員をやったりしながら再度の受験に臨むのが良いのではないかというのが私の考え。
やっぱり、司法試験に合格しなければずっともやもやを抱えたままの人生になってしまうでしょうし、司法試験に合格してしまうのが一番の泥沼脱出策ですからね。
合格可能性が低いとの自覚がある方は、ドツボにはまる前に完全撤退覚悟で公務員試験を目指すのが良い気がします。あと、コネをつかえるのであれば、ありがたく使わせてもらいましょう(うらやましい)。
司法書士への転向は失敗例も多いものの、成功例も少なくないので、視野には入れておいたほうが良いでしょうね。
主な選択肢以外となると、法律とは関係ない自営業で生活するとか、phaさんのようなスーパーニートとして生きるとかが考えられますが、もっと難易度は上がってしまいそうですね。そもそも生きるのをやめてしまうのが一番簡単かつ無難な気がしますが、それは面白くない選択ですので、考えるのは最後にすべきでしょう。
現代であれば、youtuberとして生きる方法もあるな…ゴクリ(健康で文化的に生きる難易度が最高レベルに高そう)
朝型生活をとるか夜型生活をとるか
合格体験記をパラパラと読んでみたり、飲み会で弁護士の方と話をしていたりするとよくわかりますが、司法試験合格者と一言にいっても本当いろんな人がいます。
今回は、朝型生活か夜型生活のいずれを採るのがよいかについて考えたことを書いてみたいと思います。
まあ、結論からすれば自分に合う方を選べという話になるのですがね。
○朝型生活(5時台や6時台に起きるなど早めに起きる)の特徴
●メリット
・朝の比較的静かな時間に勉強できるため集中しやすい。
・司法試験本番に備えて体内時間を調整する必要がない。
・仕事をしている方は仕事で疲れる前に勉強できるため効率が上げやすい。
・早朝から頑張っている自分に自信を持ちやすい。昼の段階ですでにそこそこ勉強しているため、「他の人と比べて勉強していない。やばいよやばいよ…」と焦りにくい。
最後のメリットは見過ごされがちですが、私のようにすぐ他の人との比較をして不安に思いやすい方にとっては大きなメリットだと思います。
●デメリット
・仕事の効率が下がってしまうおそれがある(仕事がおろそかになるおそれがある)。
・飲み会があるとペースが崩されてしまいやすい。
・無理に朝早く起きようとすると睡眠時間が減り、記憶の定着にとって悪く、体調も崩しやすくなってしまう。
・人間の体は夜更かしは楽だが、早寝は難しい体質になっているため、朝型の維持は難しい(下記事参照)
維持が難しいというのと、無理をして維持しようとすると体によくないというのがデメリットですね。自然と朝型生活できる人には適しているでしょうが、もともと夜型生活になれている方にはお勧めできません。
○夜型生活(2時台や3時台に遅めに寝る)の特徴
●メリット
・夜は集中しやすく、寝る前にしたことを記憶しやすいという人間の性質に適合している。
・夜勤との相性はよい。お金を稼ぎながらも勤務時間中に勉強するというスタイルがとりやすい。
・半額弁当を買うことでお金を節約しやすい。
二番目と最後の理由は裕福な方には関係ないでしょうが、 お金に困っている方にとっては見逃せない理由でしょう。
●デメリット
・午前中の時間帯にダラダラして、気づいたら昼まで勉強していなかったという事態に陥りやすい。
・司法試験本番に備えて、直前に体内時間を調整する必要がある。
・午前中の講義に参加しようと思っても、参加を逃すおそれがある。
本番直前の調整以外は自分の気持ち一つで何とかなることですし、夜型でも自制心さえ持っていればそれほど問題はないと思います。
双方のメリットデメリットを簡単に考えてみましたが、結局は人によってどちら志向がよいのかは違うでしょう。
私の友人に、毎日深夜3時ぐらいまでとことん突き詰めて勉強してその結果授業には頻繁に遅刻していたという人がいますが、その人も合格していますし(社会人としての適正は問題)、合うか合わないかでどういう生活スタイルを採るかを決めるとよいのでしょう。
司法試験に落ちる人の特徴
司法試験に限らず難関試験に挑む場合、どういった人が合格していて、どういった人が不合格になっているかはよく研究しておく必要があると思います。
合格者の特徴を把握して、合格者の良いところをしっかり吸収しマネすることが合格への近道であることは改めて言うまでもないことですが、逆に、不合格者の特徴を把握して、不合格者の悪いところを理解し反面教師とすることも合格への近道となります。
残念なことに、私自身は今年も司法試験に不合格となってしまった人間の一人ですし、周りにも不合格となってしまった人が少なくないので、反省も込めて不合格者の特徴・悪いところをざっとまとめてみたいと思います。
1.単純に意欲が足りない
当たり前すぎることではありますが、やる気が不十分だったように見える人は合格できていません。そもそも短答の時点でこのタイプの人は不合格となることが多いです。
司法試験には素質や運も当然重要ですが、とにかく勉強しなければ合格できないため、そもそも勉強をあまりしようとしていない人は問題外になりがちです。
勉強をしているものの、だらだら時間だけかけて勉強していたり(質が伴っていない)、しんどいからと答案を書くのを渋ったりする人も同様です。
2.基本的事項の知識・理解・記述力が弱い
勉強期間が短い純粋未修者に多いパターン。
基本的事項の知識・理解が薄いと、一つ一つの論証に説得力がなかったり、論点落ちしてしまったり、厚く書くべき論点とそうでない論点とのバランスが悪くなったり、書き出していいか不安に思い必要以上に悩むために時間が足りなくなってしまってどうしても点を減らしてしまいます。
ある程度勉強している人であれば(短答は普通に受かるような人)、基本的な事項を全く書けないわけではないでしょうが、それでも基本が徹底されておらずしっかり書ける状態まで行っていないと、思い出すのに時間がかかったり、不十分にしか思い出せなかったり、書くべきことが何かを決定するのに時間がかかったりする羽目になりがちです。
まずはしっかり理解することが重要ですが、理解した後も、とにかく基本的事項の論証はしっかり覚える、基本的なところからしっかり書けるようにしておくことが大事です。
3.時間配分がうまくできていない
ある程度勉強が進んでいて理解がしっかりしていても、答案に書いてあることしか点数に反映されないため、時間配分がうまくいかずに、途中答案になってしまったり、厚く論じるべきところを厚く書けなかったりすると一気に点数は下がります。
時間がないとあてはめ部分で事実の指摘や評価が不十分になったり、確認が取れないせいで変な凡ミスを連発してしまったりする可能性が非常に高くなるので、全体を見てどこをどれだけ書くかを適切かつ迅速に見積れるようにならないといけないでしょう。あっさり書けばいいところに力を入れすぎたり、検討時間を多く取りすぎるのも危険です。
私自身、どの科目でも検討時間が50分近くまで長引いてしまい、時間が足りないと焦りながら書いたせいで失敗した感が強いです。焦りすぎた結果、民法第3問で当事者を間違える(母親と子供を逆にしたりする)、刑法であっさり強盗致傷を認定してしまう、刑事訴訟法で途中まで任意性説を書いていたのにいつの間にか違法性排除説で書き出す(完全な論理矛盾)という普段の学習ではありえないミスをやらかしているので、本当時間不足は大きな問題です。
4.肉体的精神的に病んでいる
真面目でやるきがある方でも、健康が害されていれば思うように勉強ができませんし、本番でも最大限の力を出し切れません。
受験回数が増えれば増えるだけ合格率が下がるのも正直これが大きな理由でしょう(1回で受かる人は元々記憶力などの能力が高かったり、努力の量が違ったりするのも大きな理由ではありますが。)。
私の周りでも、実力は一定程度あるのに、このパターンに陥ってしまったために、合格までたどりつかない人が多い印象です。
できる限りの努力をしても不合格であれば当然将来の不安は大きいですし、友人や家族との関係も悪化することは間違いないので、本人の努力ではどうしようもないところはありますが、必要以上に悩まない・模試や答練で一喜一憂しないなどの工夫ぐらいはしたほうが良いでしょう。
5.働きすぎている
一般的に司法試験受験生はバイトもほどほどにしかしないことが多いでしょうが、私の周りだとお金があまりなかったり、年齢的な問題や実力的な問題から司法試験に受からなかったことを考えないといけなかったりする人が多く、働きすぎているために勉強時間が減り勉強に使える労力が減っている結果、合格までたどりつけないパターンが多いです。
本格的にフルタイムで働いて司法試験に合格するような人はまずいないですし、親のすねにしがみつくぐらいの人の方が結果的に合格して親孝行ができるので、できるだけ働く時間を減らして勉強時間に回したいところですね。
細かい敗因分析をするとキリがないですが、自分自身の反省や周りの様子を見た感じだと、だいたい上の特徴が見られると思います。4以外は本人の努力や工夫次第で何とかなる要素が大きいので、自分の力で何とかできる部分については何とかしたいものです。
ブログを始めるに至って・簡単な自己紹介
どうもはじめまして !
このたび当司法試験ブログを始めさせていただいた者です。
このブログでは、私が司法試験にどのように挑んでいくかを書いていきたいと思っております。
司法試験に関する様々な情報や個人的な見解・考察・反省をまとめ、司法試験に挑もうとしている同胞や後輩にとって少しでも参考になれば良いとの思いで、ブログを書いていくつもりです。
現在、大都市圏から離れて暮らしており、受験情報が不足しているため、情報共有やアドバイスのコメントは大歓迎です。
仕事の関係もあって、更新は不定期となりますので、寛大な心をもって当ブログを閲覧していただくとありがたいです。
ブログの方針だけ書いても何なので、簡単に自己紹介をしておきます。
・ニックネーム
蓮華
※後に変えるかもしれませんが、「泥沼でも美しく咲く蓮の花のようになろう」との思いで今はこう名乗っておきます。性別は想像にお任せいたします。
・一行紹介
泥水をすする人生でも、何とか一花咲かせたい
・自己紹介
両親が離婚危機状態だったり、借金問題を抱えたり、母が肝炎に罹ったりしたことがきっかけで、現代社会で法律トラブルに苦しむ人々を救いたいと思い、そこそこ有名な大学の法学部に進学し弁護士を目指しました。
しかし、朝から晩まで勉強してもなかなか結果が出ず、徐々に周りの優秀な人々に取り残されていき、いつの間にかうつ病に陥ってしまい、ロー入試は見事に失敗(滑り止めでしょぼいローに合格。)。
それでも、弁護士になる目標をあきらめきれず、ボロボロになりながら何とかローを修了するも直近の平成26年27年司法試験は不合格(27年は短答合格も4000番台だ!)。チャンスは残り3回…
公務員試験にも全滅し、今は最低賃金レベルで契約社員として働きながら果敢に司法試験を目指している(合格の見込みが強い場合、試験前に辞める予定。)。
・年齢
20代後半
・誕生日
だいたい鈴蘭が咲く頃
・職業
底辺会社員(そろそろ退職予定。実質フリーター。)
・学校
大学はちょっといいところ。
ローは底辺
・住んでいるところ
西日本のどこか
・生まれたところ
西日本にある限界集落候補のどこか
・趣味
スポーツ観戦、サイクリング
・特技
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