底辺司法試験浪人生の泥沼脱出記

司法試験受験という泥沼に陥りもがきながらも平成28年度合格を目指す人間の生き様を記したブログ。幾多もの失敗経験から学んだこと、考えついたことを書いていきます。司法試験受験生や他の難関試験受験生等にとって少しでも参考になれば幸いです。

司法試験受験生がフルタイムで働くということ

 法科大学院進学者が大幅に減り、予備校も予備試験経由での司法試験合格を熱心に謳い出している今日この頃。平成27年度から新たに募集停止となり、今年度の法科大学院全体の入学定員はピーク時の約半分まで落ち込んでいます。

27年度「法科大学院」受験者数、初の“1万人割れ” ! | 旺文社教育情報センター

 ロースクールがこんな状態ということもあり、受験業界では予備試験からの司法試験合格をやけに宣伝するようになってきました。特に最近は「社会人でも予備試験から司法試験合格!」みたいな広告や記事を目にする機会も増えてきました。

 

 しかし、実際には東大とか一橋レベルの有名大学でも、勉強時間が比較的少ない純粋未修者の合格率はそれほど芳しくないですし、かなりの実力があると思われる予備試験合格者ですら、有職者となると学生や無職・フリーターの人と比べると合格率がだいぶ見劣りします(面倒なのでデータの引用はしない手抜きっぷり)

 有名大学以外の既修者の合格率を見てもわかりますが、大学から地道に勉強してきた学習歴の長い人でも合格は至難の業というのが現状です。

 勉強時間だけ増やせば受かるというわけではもちろんありませんが、かなりの勉強時間が必要ということは間違いないですし、とにかく少しでも多くの勉強時間を確保しておきたいところです。

 

 ですが、フルタイムで働く場合、最低でも7時間45分ほどは仕事で拘束されてしまいます。また、いくらホワイトな企業でも日に1時間~2時間程度の残業がざらにあるところが多いでしょう。

 仮に残業ほぼなしだったとしても、体力・気力を回復する時間、通勤時間、他の従業員との交流に使う時間などはどうしてもかかってしまいます。その一方で、勉強する時間はどんどん削られていきます。それこそブログなんて書いている時間なんてないのです!

 いくら、通勤時間にしっかり参考書を読む、仕事中も手が空いたら頭の中で論証を確認する、仕事を気合いで定時に終わらせる等の涙ぐましい努力をしたところで、1日に8時間時間を奪われてしまうのは、専業受験生とも競争しないといけないことを考えると、あまりに大きなハンデと言わざるを得ません。 

 また、マルクスか誰だっかが「労働で失った体力や気力などを回復するために休みがある」と言っていましたが、フルタイムで働く受験生は、その休みべき時間を勉強という体力・気力を消耗する行為に充てるわけです。マルクス(か誰だったか)もびっくりの狂気の沙汰といえるでしょう。

 

 冷静に考えて、最低でも8時間ほど勉強時間が削られる、労働で失われた体力・気力を回復しなければならなくなることを考えると、働きながらでもしっかり勉強をこなせる非常に優れた体力と気力があり、勉強時間が少なくても済むだけの非常に優れた素質・適性・集中力・記憶力がある(又は今まで勉強してきた蓄えがある)人でないと、フルタイムで働きながら合格するのは難しいというのが私の意見です。

 私の周りを見ても、いろんな合格者に聞いても、ネットでの情報を見ても、ガチガチに働きながら合格した人はほぼ皆無ですしね。社会人受験生も多い予備試験の合格者も内訳をみると、社会人は1割ほどしかいないですし、相当厳しい道のりなのは間違いないです。